俺の大阪売却物語のはじまり(3)

2017.01.17 Tuesday

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    前回までのあらずじ

     

    大阪の物件の売却に向けて動き始めた俺。東京の不動産業者との売却契約の直前に、別業者から1,200万アップの満額オファーが舞い込んできた!

     

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    なんというタイミングの悪さだ。この話、昨夜N氏と面談をする前に欲しかった・・・

     

    まだ買主の融資の承諾が取れていない不確定要素の多い、しかしながら1,200万の金額を乗せてきた2番手と仲介の取引を進めるのか、それともより確実な1番手とこのまま契約を結ぶのか。

     

    しかし今更1番手に「もう少し待ってくれ」と言える状況ではなかった。

    1番手との売買契約の予定日は明後日。迷っている場合ではない

     

    N氏の会社では、今頃この物件の売買契約書の作成に追われていることだろう。

    それに昨日の夜の打ち合わせでは、今後他の顧客にはこの物件を流さないという確約を、口頭で行ってしまっている。

     

    俺だって男だ。問題は金じゃねー!(号泣)

    信頼関係の上に成り立つ、しかもサラリーマンの平均生涯賃金を軽く超える額の取引なのだから、こういう時は安易に行動してはいかん。

    きちんと筋を通さなければならんのだ。

     

    裏スジを切断するくらいの勇気を持って、俺はそう決め、泣く泣く2番手の業者さんにお断りの連絡を入れた。

     

    そして2日後、運命の契約日。

     

    仕事帰りに実印を握りしめ、再びN氏のオフィスに向かう。商談テーブルの上には売買契約書と重要事項説明書が置かれ、N氏の会社の担当の宅建主任者から、淡々とそれぞれの書類の内容についての説明が行われた。

    手付金の振込みもネットバンキングで確認し、契約書にも問題がないことを確認した後、俺は何枚もの書類に直筆の署名をし、実印を押しまくった。

     

    書類と言えば、もう一つあった。

    売却代金でローンの返済を行うためのS銀行への繰上げ返済依頼書だが、N氏が翌日銀行に提出してくれるということで、俺はその書類にも署名捺印をして、代理の提出をお願いした。

     

    1月の終わりの冷たい夜に、俺の周りだけ暖かい空気で満たされているようだった。

    これで正式に契約が成立だ。1年越しの売却の苦労が、ついに報われた時が来たのだ!

     

    それからの日々は、文字通り夢のようだった。

    机の上のカレンダーの赤丸の決済日が待ち遠しくて仕方がない。仕事にも身が入り、食欲も旺盛で、筋トレもいい感じでこなす日々。

    ずっと片思いだった大好きなあの娘に告白してデートをOKしてもらい、テンションMAXでその日を待ち遠しく感じているあの感覚と言えば、みんなわかるよな?

     

    そんな高揚感に満ち溢れたやる気みなぎる日々が1週間程続いた。

    ところが決済日を約10日後に控えたその週末の夜、N氏から一本の電話が入った。

     

    N氏 「S銀行の担当者と調整したのですが、やはり繰り上げ返済依頼書は本人が自ら提出しないとダメだということです。週明けにもS銀行に書類を提出しに行ってもらえませんか?」

     

    真っ青な澄み切った俺の心の空の中に、僅かな雨雲のかけらが妖しく光った。

     

    (続く)

     

     

    俺の大阪売却物語のはじまり(2)

    2017.01.10 Tuesday

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      かなり長い間Blogの更新をストップしていた。これには大人の事情ってもんがあるんだが、それは追々話すことにしよう。

      この物語は、今からちょうど1年前に起こった事件のドキュメンタリーである。前の話の続きなので、覚えてなければ一つ前のエントリーから読み直してほしい。

       

      物語の最初から読む

       

      その日の夜遅く、その東京の業者の代表(以後N氏)から添付ファイル付のメールを受信。夢にまで見た「買付証明書」が、目の前のモニターに映し出されている。

      ローン条項の特約は「あり」だが、相手は現役の医者だ。N氏の「ローンは問題ない」と言うお墨付きもあるので、買い手の融資が通らないということはまずないだろう。

       

      ちなみにローン条項の特約とは、買い手の融資の承認が金融機関から下りなかった場合に、不動産売買の契約をペナルティーなしで白紙に戻すことができる特約のことだ。

      この特約をつけておかないと、買い手は融資の結果に関わらず、決済日までに売買代金の全額を自分で準備しなければならない。

      そして万一その代金を準備できない場合には、違約金として相応のキャンセル料金を支払わなければならないのだ。

       

      俺は翌日朝一番で売渡証明書という書類にサインをしてN氏に送り返した。

      これにより、俺は正式にこのお医者様との売買を進めることに同意し、その仲介役をN氏にお願いするという意思表示をしたということになる。

      今後はN氏がすべてを調整するので俺は連絡を待つだけの身。新年早々にも今年の目標をクリアしそうな勢いの俺の心は、平穏そのものだった。

       

      更に数日が経った。そしてN氏より連絡が入る。

       

      N氏「実は買主のお医者様がとてもお忙しい方で、決済日の調整が難しいのです。ですからこの物件を弊社が一時的に買い取らせて頂き、後日お医者様とスケジュールを調整しながら売却をしたいと思います。つきましては先日の買付け証明の金額から仲介手数料を引いた額面で、本物件を弊社が購入させていただく形でお取引きいただけますでしょうか?」

       

      要するに、当初は仲介予定だった物件を、N氏の会社で一時的に買取り、その後最終買主に売却したいという相談だ。N氏の会社が買取る場合は、俺が支払う予定だった仲介手数料は発生しないので、その分を減額した金額での買取りを打診してきたということだ。

       

      俺としては仲介でも買取りでも自分の売却益はほとんど変わらないので、これで取引がよりスムーズに進むなら文句はない。

      更にN氏の会社が買い取る場合は、 屮蹇璽鷯鮃爐瞭談鵑覆掘廰◆峅兇2年間の瑕疵担保責任の免責」という、でっかいおまけつきである。

      こちらにとっては最高にありがたい話であり、俺はすぐにその条件を飲んだ。

      そしてN氏との最初の対面での打ち合わせは2日後の月曜日の夜、俺の仕事が終わった後にN氏のオフィスで行うことが決まった。

       

      翌月曜日の夜。

      俺はきっかり定時で仕事を切り上げ、丸の内からN氏のオフィスにタクシーを飛ばした。

      楽街の査定の依頼から2週間も経たずに実現したこのアポ。

      約束の時間よりずいぶん早く目的地についてしまったのは、俺が一秒でも早くこの取引を纏めたいという気持ちの現れであろう。

      俺は近くのドトールで時間をつぶし、アポの5分前にオフィスのドアをノックした。

      緊張の瞬間だ。

       

      簡単な挨拶を済ませた後、俺とN氏は本契約の前の雑談としていろいろな話をした。

      買主のお医者様は今回が始めての不動産取引であること

      お医者様は4.5%の金利でもOKと言っているとのこと

      某銀行では、既存顧客の融資を新しい顧客につけ替えることは禁止されているが、N氏の会社を通せばそれが可能なこと

      この売買取引が終了したら、俺の札幌の物件を都市銀行で借り換える手伝いをN氏がしてくれるということ

       

      そして「今後この物件を買いたいという顧客が出てきても必ず断るように」と念を押されながら、俺たちは3日後の木曜日に売買契約をすることで合意をした。

       

      翌日の火曜日。

      見知らぬ番号から一件の着信が入る。

      「はじめまして。楽街の物件査定を頂いた大阪の業者です。実はあの物件を満額で買いたいというお客様が現れました。」

       

      その金額はN氏が提示してきたものより1,200万ほど高い価格で、俺の希望売り出し価格に対する満額の回答だった。

       

      続く

      俺の大阪売却物語のはじまり(1)

      2016.03.25 Friday

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        2016年元旦。でっかい目標を立てちまった。

        「大阪のRCを年内に売却し、札幌のRCを法人名義で借りかえる」
        もちろん借り換えするならば、今よりも圧倒的に安い金利でなければならない。
         
        大阪の売却を決めたのは昨年の初めのことだが、アクティブに活動していたのはは最初の数か月だけ。
        夏以降の俺は、仕事もプライベートも負のスパイラルにハマり、そこからもがき苦しみ抜け出そうとすることに精一杯で、大阪の売却活動はほとんど諦めてしまっていた。
        売却の媒介契約を交わした不動産業者からの連絡を待つだけで、自分からは何も動かない日々。
        ダメサラリーマンの典型のような、完全に受身で仕事をしているような気だるいい感覚。これでは時間だけがどんどん過ぎていってしまう。
        今年こそ必ずこのゴールを達成し、もう一段高いステージに登るのだ!
        そう決意した俺は、世の中がまだ新年ムードに浸っている中、早速一発目の行動を開始した。
         
        楽街の物件査定サービスで、現在の適正市場売却価格を知る。まずはここから再スタートだ。
        楽街の査定では、登録してある業者の中から最大5社までを選択することができ、それぞれに見積もりの依頼をかけることができる。
        使い方はとても簡単で、10分もあればこちらの入力は終了だ。
        試してみればわかるが、地方の物件でも取り扱う業者は全国に広がっており、その数の多さからどの会社に査定を依頼すれば良いのか、正直わからないくらいだ。
        俺は大阪から4社、そしてなんとなくオフィスから近いという理由で、会社の近くの不動産業者を1社を選択し、それぞれに査定を依頼してみた。
         
        その日の夜遅く、俺の受信トレイに1通のメールが舞い込んできた。
        昼に問い合わせた東京の業者からで、机上査定が完了し、俺の売却希望価格での対応が可能とのことだった。
        しかしこれで浮かれるのは早すぎる。
        売却の対応が可能なことと、実際に購入できる買い手を見つけるのとでは、全く別の話だからだ。
         
        不動産の仲介業者は、少しでも多くの仲介手数料を手に入れるために、多少割高でも売買価格を高くして取引するインセンティブが働く。
        その点で業者と売主の俺の利害は完全に一致している。
        しかも大阪の物件は3億円超のディールだ。不動産業者が手にする仲介手数料は、片手でも約1,000万。
        両手だと、はんこ一つで2,000万円の世界だから、こんなに美味い話はない。

        しかし金融機関の立場からすれば、築年数も経っているこのマンションに対する評価は、自ずと厳しくなるはずだ。
        俺の希望する売却価格と銀行の評価額に大きな開きがある場合、いくら買い手が物件を購入したいと思っても、希望通りの融資金額が出ない可能性は大だ。
        そうなった場合に売買を成立させるためには、’磴ぜ蠅不足分の自己資金をつぎ込むか、△海舛蕕売却価格を下げるか、またはその両方の負担をバランスさせる着地点を探すしかない。
        不動産業者には、この金額でも融資が通る買い手を見つけ、滞りなく売買契約をまとめる高いコミュニケーション能力とスピーディーさが求められるわけだ。
         
        俺はとりあえず物件の詳細情報が入ったクラウドの共有フォルダのリンクを、その業者に送っておいた。
         
        それから平穏な一週間が過ぎた。
        ある日、俺の携帯のディスプレイに、見慣れない番号からの着信があった。市外局番は03。都内からの発信だ。
        あの銀行のフリーローンの勧誘か?ちょっとだけ緊張しながら電話を取る。
         
        「初めまして。楽街で大阪の物件の査定依頼を受けた東京の業者です。
        実は購入希望のお客様が現れました。弊社査定価格以上での買付けです。まだお取引は可能でしょうか?
        購入希望者はお医者様で、年収は○千万の方です。ちなみに、融資は問題ありません。」
         
        俺のテンションは一気にMaxまで上がった。昨年1年間苦労した売却活動が、こんなに簡単に報われるとは!
        俺はここ最近味わったことのない嬉しさと安堵の気持ちでいっぱいだった。
        一年分の幸せを全部足しても足りないくらいの幸福が、一気に押し寄せてきた。
        神様は本当にいるもかもしれない。これで人生の運を全部使い果たしてしまったらどうしよう。
        そんな気持ちだった。

        それがまさか1か月後にあんな展開になるなんて、当時の俺は、これっぽっちも知る由がなかった・・・。
         
        続く

        <新作本紹介>
        数々の素晴らしい出会いと、不動産の知識を惜しみなく俺に与えてくれた不動産コンサルタントの「高市亮」さんが、この度共著で出版をした。

        その本のタイトルは
        『銀行員が教える一生困らないお金の増やし方』

        今までの俺の人生には、いくつかの運命的な素晴らしい出会いがあったけれど、彼は間違いなくその中の一人だ。
        そして彼と出会っていなければ、俺はこのブログを書いていなかっただろう。

        自分の利益重視で顧客の事を考えない不動産コンサルタントならここで紹介することはないが、彼は違う。本物だ。
        不動産投資に興味があるあなたには、是非読んで欲しいと思っている。きっと後悔はしないはずだ。


        『銀行員が教える一生困らないお金の増やし方』 

        あっ、すまない。
        今売れすぎでAmazonには在庫がないみたいだ。

        でも心配はいらない。このブログの読者ならすぐに行動する大切さ、知ってるよな?
        今すぐ近くの本屋に走れ。そう、今すぐだ。


         

        エアビーは投資ではなく経営だ

        2016.02.23 Tuesday

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          エアビーは不動産投資に比べると、スタート時のハードルは低い。
          不動産投資に興味はあるが、大きな一歩を踏み出せない場合、マンションの区分所有や築古の戸建ての購入からスタートするのもいいが、エアビーも選択肢の一つになる。
          初期投資で必要なのは物件の賃貸契約と家具、家電、電気、ガス、水道、ネットなどのインフラの契約費くらいだ。リスクも予測しやすく、例えば不動産投資で○億円のマンションを1棟購入するよりば限定的だ。
          最低限学生の一人暮らしをスタートさせるのと同程度の準備をすれば、とりあえずゲストの募集はスタートできる。

          しかし参入障壁が低いからと言って、何も考えずにエアビーをスタートさせてしまうことは、レッドオーシャンの中にパンツを脱いで飛び込むようなものだ。
          そんな事をしたら、毎日丁寧にお手入れして大切に育ててきた俺の純子ちゃんが、あっという間に凶暴な鮫に喰いちぎられてしまう。

          念のため説明しておくと、純子というのは俺の息子の・・・いや、もはや説明不要だろう。

          だから周りが「儲かる」と騒いでいるからといって、安易ににエアビーを始めてはいけない。
          エアビーをやる場所、近隣の競合調査、代行業者の選定、初期費用の見積もり、差別化の設定、そして誰と組むのか?
          これらを総合的に考慮し、緻密なシミュレーションを繰り返し、様々なリーガルリスクも考慮した上で、それでもイケると判断した時に、自分の責任でスタートさせることが大切だ。

          俺がエアビーを始めるにあたり、一番こだわった条件は立地だった。
          部屋の内装やリスティングは後から変更が可能だが、立地だけは動かせない。

          海外のゲストが東京への旅行を決め部屋を検索する時に、ヒットしやすいエリアに物件を持たないと、後々苦労する羽目になると考えた。
          都心というだけではダメなのだ。一体何人の外国人が「Jinbocho」(神保町)という名前で部屋を検索するというのだろうか?
          都心のど真ん中より有名な観光エリア。例えば「Shinjuku」「Shibuya」「Harajuku」「Asakusa」「Roppongi」あたりは検索数が多そうだ。
          次点で「Akihabara」「Ikebukuro」「Shinagawa」あたりか?
          「Ebisu」「Meguro」「Kichijoji」。毎年住みたい街ランキングで上位に入る街だけど、外国人がこれらの街の名前と地理感覚を正確に把握しているとは到底思えなかった。

          それにハイソな住宅地にポツリとエアビー物件があっても、でかいスーツケースを引っ張って歩く旅行者の団体は嫌でも人目につくだろう。
          ゲストだって外に出る度に周りから好奇な目で見られるのは、マジ勘弁してほしいところだと思う。
          だから現時点で都内でAirBをやるなら、住宅地より断然観光地にすべきだ。これが俺の出した仮説だった。

          もう一つこだわった事。それは、この新宿の部屋の運営は、できるだけ代行業者を使わずに信頼できる仲間と組んで行う事だった。
          この部屋の内装やハウスマニュアルは、俺がその技術もセンスも心から信頼しているプロのデザイナーに発注した。
          限られた予算の中でシンプルだけど計算尽くされたデザインが生まれ、2次元の図面のイメージが実際の部屋の中に再現された時、俺は久しぶりに「感動」というものを味わった。
          部屋の写真は、そのデザイナーがプロのカメラマンと組んで、見映えの良い写真を何枚も用意してくれた。
          リスティングの写真の並びや説明文は、英語と日本語の両方を準備し、試行錯誤しながら何度も順番を並べ替え、文章を推敲していくうちに、少しずつ洗練されたものが出来上がった。
          そして肝心のゲストとのやり取りは、全部俺が責任をもってやることにした。
          会社のメールはほぼ100%英語だから、ちょっとしたエアビーの予約や質問のやり取りを英語で行うのは、俺にとっては朝飯前なのだ。

          これらをすべて代行業者に丸投げすることもできるが、そのためには当然安くはない手数料という名の費用を支払わなければならない。
          金の問題だけではない。ゲストとの細かいやり取りを、大量に物件を管理している業者がタイムリーにできるのだろうか?
          リスティングの写真を、代行業者がきちんと吟味して効果的に並べ替えてくれるだろうか?
          ゲストの旅行の前日に、一言「Have a safe trip!」と一言メールする余裕。これは個人で運営しているからこそできる、ちょっとしたおもてなしのごく一例だ。

          遠隔地にある物件を管理してもらうのであれば仕方ないが、俺は手間はかかっても自分でできることは全部自分の納得いくようにやりたかった。
          自分の工夫でリスティングの順位を上げる努力をし、ゲストの問い合わせに対してきめ細かい柔軟な対応を心がけ、反省点を生かして次につなげてゆく。
          結果としてそれが良いレビューの獲得につながり、小手先のテクニックに頼らずも人気の部屋になるのは時間の問題だろう。将来エアビーの規模を拡張していくフェーズが来ても、これら一連の作業は必ず経験として役に立つはずだ。

          そして2016年1月の終わり。大家から部屋を引き渡してもらったその日に、俺たちはほどんどの家具のセットアップを完了させ、リスティングを公開した。それと同時に、ひっきりなしに予約が入りだした。
          そして2月の終盤。俺はすでに5組のゲストを迎え入れ、今は次に迎え入れるゲストとのやり取りを楽しんでいるところだ。

          エアビーをただの投資の一つとして考え、資金を出した後に代行業者に丸投げしても、うまくいかない責任は自分でとるしかない。
          競合が多ければ多いほど、ゲストの立場になって考えられた部屋作りと、自分のポリシーに従って運営することが大事になってくる。そしてこれは、経営そのものなのだ。

           

          エアビーOKで地理的条件の良い部屋を探すのは、至難の業

          2016.02.15 Monday

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            俺がエアビーを始めるまでのストーリはこちら

            エアビーを始めるにも、まずはゲストに貸し出す部屋を調達しなければならない。
            しかし仮に、自分の希望するエリアで気に入った賃貸物件を見つけたとしても、民泊をやるためには基本大家の許可が必要だ。
            俺は自分も大家だからシンパシーを感じるのだが、法律解釈もグレーな民泊を、自分の所有物件でやられることに抵抗がある大家が多いのは、直観的に理解できる。

            エアビーで泊まったゲストとマンションの住人の間で何らかのトラブルが発生すれば、入居者の退去やマンションの価値の低下にもつながりかねない。
            昨年はエアビーに泊まった海外のゲストが、マンションのベランダから転落死するという事件も起き、いったんトラブルが発生すると大家にとってのダメージはとてつもなくでかい。

            そんな訳でエアビー可能な物件は、元々オモテの市場にはあまり出てこないのが現状だ。
            それに対してエアビーの人気は加熱する一方。

            需要と供給のバランスから見ても、大家が民泊をOKしている部屋の賃料は、近隣の相場に比べて高くなるのは必至のことだった。

            これは言い換えれば、大家がエアビーを許可している部屋は、空室期間が長く客付けに苦労していたり、エアビープレミアムを上乗せされ相場より高い金額に設定されているなど、何かしらの理由が隠れている可能性が非常に高いということだ。

            さあ、どうしたものか?

            俺が最初にとった行動は、知人に紹介されたエアビーの代行会社に問い合わせをすることだった。
            代行会社によっては、その会社にエアビーの代行業を依頼することを条件に、民泊可能な物件を紹介してくれる。
            しかし俺が何度問い合わせを送っても、その会社から全く返事が来ない日が続いた。一元客ではなく、その会社のサービスを利用している知人の紹介にもかかわらずだ。やっとのことで物件情報が送られてきた時には、俺の興味はこの会社から消えてしまっていた。

            次に行ったのはエアビー可能な物件を紹介してくれるメールサービスに有料で登録することだった。
            結構ハードルが高い金額だったが、これも将来のための先行投資だと考えて即決で申込み。
            ここは定期的に新しい情報を出してくるが、賃貸契約する際に紹介料として更に1ヶ月をこの紹介者に支払う必要があることがわかったのは、メ−ルサービスを契約した後だっだ。
            仮に家賃が10万だとして、敷1礼1保障会社1当月家賃1翌月家賃1仲介手数料1で考えると、契約だけで60万。
            そしてこの謎の紹介料が10万プラスされ、はい70万。
            更に家具、家電、食器、備品もろもろを購入し、それとは別に水道ガス、インターネット回線の契約も必要になる。
            100万円を貯めるのはすごく大変だが、使うのなんて一瞬なのだ。

            エアビーを自分の物件以外で始めようとすると、誰もがこの壁にぶち当たる。だからほとんどの人は、結局自分の気に入った物件を何食わぬ顔で賃貸契約し、そこで無許可のエアビーを始めてしまう。
            これを読んでるあなたも、心当たりがあるのではないだろうか?
            実際俺が知っているだけでも、無許可でエアビーをやっている事例は、両手で数えても足りないほどだ。

            でも俺の場合はちょっと違った。ひょっとしたことからその物件がエアビー可能だということを知り、その部屋を代行業者を通さずに、街の不動産屋で直接契約したのだ。業者を通すとその分手数料を支払う羽目になるが、俺はその部屋を一番良い条件で契約することができた。タッチの差で別の業者に持っていかれる所だったが、即決即断が功を奏した。


            これは常にアンテナを張って情報収集を怠らずにしていたからこそできた技だ。チャンスが来ればいつでもバッターボックスに立てるように毎日素振りをしていなければ、美味しい情報が目の前を通ってもそのことにすら気づかず、結果そのチャンスを棒に振ってしまうことになる。

            こうして俺は新宿のど真ん中に、家賃18万ちょっとでエアビー第一号となる部屋を契約した。2015年の12月半ばの事だった。

            つづく